2021年9月24日金曜日

MLM企業は口コミに多額の投資を行う

 MLM企業は一切の広告宣伝を行っていないため、一般の企業で発生する広告宣伝費を計上する必要がありません。その分商品開発や顧客開拓などに費用を回すことができ、効率的な企業経営を行うことができると考えている人が多いものです。しかし実際には、MLM企業は広告宣伝に代わる重要な宣伝媒体が存在しています。これは口コミであり、その内容を自社にとって良いものとするために多額の費用を間接的に投入し、商品の認知度を高めようとしている現実があります。
口コミは一般の消費者が実際に商品を使用し、これに対して自分の感想を率直に述べていると考えている人が少なくありません。そのため、その内容を信用し評価が高ければ多くの人が商品に興味を示し、自分で購入し使用してみようと言う気になることが多いのですが、実際にはここには1つの落とし穴があります。それは1部の悪質なMLM企業が意図的に自らの商品を高く評価する口コミを記載させ、これに対して何らかの対価を支払うと言うものです。すなわち口コミの情報が操作されていることになり、実際の多くの利用者の評価とは異なる情報が広がることが少なくありません。
実際にはこのような操作は公正取引法に抵触する恐れがあるため、露骨に行うことはできませんが、これに代わる良い口コミを利用者に描いてもらう1つの戦略があります。これはインターネット上で検証等を行う際に、SNSとの紐付けを要求するというものです。SNSで自らの商品を紹介してもらうことにより、検証に対する応募の権利を獲得すると言う仕組みのもので、このような場合には人間の心理上、相手の商品に対して悪い印象を与えるような内容は記載しにくいものとなります。直接的にSNS上で商品の高い評価を記載することを支持しているものではないため、法律に抵触するような問題はありませんが、間接的に商品の評価を高める記載が増えることが予測され、良い広告宣伝となることから、これを見越した戦略を打ち出しているところも少なくありません。
MLM企業は広告宣伝を行わないことが特徴ですが、これに代わる様々な宣伝戦略を打ち出しているところが多く、これに対して多額の費用をつぎ込んでいることが多いのが実態です。